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Channel: 時のくずかご
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年末のニュースに頭が痛くなり

 頭が痛くなるのは,いまだに火種を残す特定秘密保護法案だけの話ではない。    ほかにも頭痛の種は尽きることがなく・・・・  まずは,集団的自衛権に関する無理な憲法解釈変更やら武器輸出三原則のなし崩し的破棄やらが知らないうちに進行し,我が国の平和国家たるアイデンティティーが日に日に揺らぎつつあることがある。...

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息をのむ美しい転調になるためには

 目の前に立ち塞がる物の片付けに始まり片付けに終わったような,ほんとうに慌ただしい一年だった。     さて,クリスマスを控えた師走の或る日のこと,市内のカトリック教会でモーツアルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を演奏した。  充実した和音が響く中で,曲は突然とも言える転調を果たす。  筆者が担当しているチェロパートはと言えばC音からF音に移り,そのまま短調に落ち着く。...

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NHKの「幸福学」に期待して

 NHKで一人一人の”幸福”を問う面白いシリーズが始まった。  題して「幸福学」。     4日放映のプロローグ篇は,ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)のエリザベス・ダン博士による「ケーキ作りの幸福論」である。  これすなわち,ケーキ作りに小麦と砂糖,それに卵が欠かせないように,幸福にも「人との交わり」に「親切心」,「ここにいること」が欠かせないという。  そして結局は,...

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NHKは当分冬の時代か

 「下らない」という言葉は江戸時代にできた言い方だという。その当時上方から江戸に流れてくる(京阪神から東に下ってくる)物資の品質があまりに良いものだから,ダメな品物を「下らない」と表現したからと聞いたことがある。    それにしてもこの頃のことだが,まったくもって「下らない」と思ったのは,NHK新会長籾井勝人氏の会見での言いぐさだった。...

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バッハという人間の底知れない深みに

このところ身辺が落ち着かない状況が続き,気が付いたらブログの記事が長期に渡って滞ってしまった。心の片隅で気になってはいたのだが,文章を綴る気持ちの余裕が持てずにいたので,読んでくださっている方々にはお詫び申し上げたい。...

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「憲法解釈変更」などと言うが

 憲法9条を,もう一度日本語として素直に読んでみる。 「国際紛争を解決する手段としては」, 「武力による威嚇又は武力の行使」は「永久にこれを放棄」し, 「国の交戦権は,これを認めない」と分かりやすく書いてある。      果たしてこれをどんなふうに読めば, 『自衛隊が(限定的に)紛争地で参戦することも許される』などという意味になるのか? また,『(状況に応じて)ミサイル戦に加わることができる』...

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唱歌の演奏と軽く見るなかれ(千住真理子さんのCD「日本のうた」を聴きつつ)

 このCDをことあるごとに取り出しては,いまだに聴いている。  ただ”癒やされる”などと言うだけでは足りないわけで,このCD制作に関わった6人の名だたる邦人音楽家の手になる編曲の素晴らしさに脱帽してしまう。    「浜辺の歌」では,前奏や後奏で美しいメロディーがエピソード的に現れるのだが,これが何度耳を傾けても聞き惚れてしまうのである。...

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NHK『戦後史証言PROJECT 日本人は何をめざしてきたのか 知の巨人たち・第3回・丸山眞男』(2014・7・19放映)を見て思ったこと

 丸山眞男と言えば,かつて岩波新書の「日本の思想」を夢中で読んだおぼえがあり,その語り口の迫力に惹きつけられたものだった。     この番組は,そういう彼の”遺言”とも言える言葉たち(新公開の録音テープを含む)をもって今の政治状況を照らし出そうという意図で制作された,今後の(例の新会長の)NHKではもはや無理だろうと思われる労作だった。...

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朝日問題と”国益”

 朝日新聞がたいへんなことになってしまっている。  木村伊量社長自らが,吉田調書にかかわる報道記事の「全面撤回」をつげ,それに自身の進退伺いを絡ませる会見を開いたというのだから尋常でない。...

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安藤昌益資料館主催「安藤昌益のふる里を訪ねてバスツアー」に参加して

 安藤昌益資料館(八戸市八日町)主催の「安藤昌益のふる里を訪ねてバスツアー」((10月5日実施)という企画にこの仙台より参加させていただき,その感想である。    当日は気持ちの良い秋晴れ,総勢18名の和やかなバス車内になった。  大館市郊外の二井田地区にある昌益の墓を訪ねたときは,地元研究会代表らの方が途中から乗車して案内してくださった。...

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秋の終わりに,フォーレ「ピアノ三重奏曲ニ短調・弦楽四重奏曲ホ短調」《ニコラ・アンゲリッシュ(pf),ルノー&ゴーティエ・カピュソン(Vn・Vc),エベーヌ...

 先週の金曜日だったか,仕事に出かける車の中でNHKFM放送を聴いていたらフォーレの2番目のヴァイオリンソナタがかかった。懐かしいような焦がれるような妙な気持ちになり期待とともに耳を傾けたのだが,それでも演奏に最後まで入り込めなかった。  フォーレの演奏というのは,まことに難しいものである。...

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雪道の朝ラジオで聴いたブラームスの第2交響曲に

 昨日の朝も今朝も仙台は雪道でツルツル,自宅が郊外で山の方にある筆者などはヒヤヒヤし通しでハンドルを握りしめた二日間だった。    昨日の朝は,雪道のFM放送で掛かってきたのがブラームスの第2交響曲。  それが,とても良い演奏だった。...

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NHK解説委員の一言に

 最近のNHKは・・・と食い足りない思いの残る番組が多い気がする昨今ではある。    時はかなり遡ってのことで恐縮だが,先月2日(月)の「時論公論」(30分拡大版)は,珍しく語り手の顔が見える良い内容だった。...

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放射性廃棄物最終処分場問題に揺れる箕輪山に

 上の写真右手の山が,指定放射性廃棄物の最終処分場問題に揺れる加美町の箕輪山(田代岳)である。    もともと山頂のところを削った土砂をそのまま積み上げて二ツ石ダム(ロックフィル)を建造し,大崎平野周辺の灌漑に役立てようとしていた。ところが,その削った痕のわずかに平らになった土地を最終処分場に充てようという計画らしいのだ。  当の加美町宮崎地区(予定地麓の町)に住む親戚によれば,...

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「愚者の楽園」とはよく言ったもので

 もはや遅ればせながらの話になるが,先ごろ世間を騒がせた百田尚樹氏(作家)発言やら,大西英男議員の発言やら,それから自民党議員勉強会での諸発言やらのことである。  いずれの方々も様々な意味で政権に近い立場にいるにも関わらず,国を左右する問題に向き合っている自覚と緊張感がないから,このような安易な発言をしてしまう。  この短絡思考ぶりは,政治的立場などは別にしてもヒドイものであった。...

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国をあげて欺瞞の道を

 いわゆる安全保障法案,多くの識者の手で”違憲”の烙印を押されたこの法案も,今国会で成立の公算が高いと言われている。  まったくのところ,「新憲法解釈」などとエラそうにも,米軍を後方支援しても参戦したことにならないとか,自衛隊員のリスクは高まらないとか,子供だましのような嘘や屁理屈で固めて通そうというのだから,現政権首脳の無責任さ,無法さにはかなわない。  少しは,恥ずかしいとは思わないのかネ。...

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それでも再稼働とは

 福島第一の事故の時は,筆者が住むこの仙台も絶体絶命のピンチだった。  あの時仙台が汚染されて住む家と生活基盤が喪われてしまっていたらと思うと(ほんとうに福島の人たちには申し訳ないけれども)胸が苦しくなる。  実はあの時,女川原発だって間一髪のところで危うかったという秘話(?)を,親しい電力の関係者から聞いたりしたものである。  そして,今日の川内原発の再稼働である。...

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合掌

 突然の訃報だった。    それは今日の昼下がり,車を運転していて妻が代わりに携帯を受け取り,親戚筋の歯科医が今朝亡くなったことを知った。医科歯科大出の博士号なのに,田舎町の診療に日々明け暮れ,丁寧な診断ときめ細かい治療で地域に愛された優れた歯医者さんだった。  それも還暦まであと数年,あまりにも惜しい人材の突然死だった。  ご家族の心中を思えば,その心痛はいかばかりか。...

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「安保法案」のそもそもの狙いは

 「安保法案」のそもそもの狙いは,おそらく尖閣の領土問題が一つあるのだろう。    中国が縦横無尽に”領海”を犯しているのを尻目に,アメリカさんがなかなか重い腰を上げてくれないことに苛立つ(軽く)右傾化した政治屋たちの思いが,そこに集結したのである。...

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谷崎潤一郎の「蓼食ふ虫」に

 今年は谷崎潤一郎の没後50年目というので,先週末だったかNHKテレビで「谷崎潤一郎没後50年・文豪と上方の芸能」という特集番組をやっていた。   その中に出てきた「蓼食ふ虫」のくだりを見て,どこか懐かしい思いがした。  「蓼食ふ虫」を読んだのは筆者が高校生のころである。作者の身辺雑記をダラダラと書き流したような筋書きだが,後半の古典芸能をめぐる旅の情景が色濃く記憶に残っている。...

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